ひとりで抱えない勇気 ~委ねることで魂は癒されていく~
先日、久しぶりにママ友の家に泊まりに行ってきました。
子育て時代を共に乗り越えてきた戦友のような存在の彼女とは、話し出すと止まらない。お互いに積もり積もった近況を、まるで過去と未来を旅するかのように語り合いました。
彼女はシングルマザーでずっと、家族のため、子どもたちのため、全力で走ってきた人。
そして今、子どもたちが独立し、ようやく自分の人生を楽しもうとしているタイミング。
でも、その一方で身体は正直に変化を伝えてきていて、更年期のホットフラッシュや疲れやすさが日常に重くのしかかっているそうです。
漢方で調整しながらも、私と話している最中も、彼女の顔には大粒の汗が浮かんでいました。
暑さの中、仕事へ向かうだけでも一苦労。
そんなときは無理をせず、あえてお休みすることも選ぶようになったそうです。
「前みたいに動けない自分」が悔しいんじゃないかと思ったけれど、彼女はちゃんと“自分を責めない”という選択をしていました。
それは、魂が“もう無理しないで”と伝えているサインに、彼女自身が気づき始めているということなのかもしれません。
でもやっぱり彼女は昔から、自分ひとりで何でも解決しようとするタイプ。
今回は思い切って「娘さんたちに話してみたら?」と提案してみました。
すると彼女は、「前にちょっと言ったけど、伝わらなかったの」と。
もしかしたら、その“明るい話し方”が、家族には「大丈夫そう」と見えてしまったのかもしれません。
本当は、心も体も悲鳴をあげているのに――。
私が「もっと早い段階でSOSを出してみて」と言ったとき、彼女は少し悲しい顔をして「助けてくれるかな……」とつぶやきました。
その言葉に、私は胸がギュッとなりました。
私自身は、昔から子どもたちに頼ってきた方。
「ママも人間だから、助けてね」と伝えてきたことで、今では「大丈夫?」と自然に気づいてくれるようになりました。
人にはそれぞれの役割と魂の学びがあります。
ずっと“しっかり者”だった人が、「頼る」ということを学ぶとき、そこには深い癒しと変容のチャンスがあります。
人に委ねることは、甘えではなく、魂のバランスを整える神聖なプロセス。
どんなに家族であっても、「察してほしい」は届かないこともあります。
だからこそ、自分のために言葉にして伝えること。
“わかってほしい”ではなく、“わかってもらえるように伝える”という意志が、愛の循環を生み出していきます。
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私たちは、ひとりで頑張らなくてもいい。
苦しいときに「助けて」と言えることは、魂が本当に望んでいる“愛の形”のひとつです。
心と体のバランスが崩れきってしまう前に、勇気を持ってSOSを出すこと。
それが、自分を守る最大のスピリチュアルなセルフケアです。
そして私はこれからも、そんな彼女の声に寄り添いながら、
彼女が“頑張る”ではなく、“委ねて生きる”ことを選んでいけるように、そっとサポートを続けていこうと思っています。