過去の勇気と今のぬくもりがつないでくれた、魂の成長物語
先日、友人と神社にお参りへ向かう列に並んでいた時のことです。
階段をゆっくり、慎重に降りてくるおじいちゃんがいました。杖を頼りに、一段ずつ踏みしめるように進む姿は、少し心細そうにも見えました。
その瞬間、友人がサッと動きました。
迷いもなく、おじいちゃんのそばへ駆け寄り、優しく手を取り、一緒に階段を降りてあげたのです。
その姿を見た瞬間、胸の奥から「すごい…!」と感動が湧き上がりました。
――そして私はふと思い出したのです。
四年前、横浜駅をその友人と歩いていたときのこと。
白杖を持つ若い女性が困っている様子に気づきました。
私は以前、介護の仕事に興味を持ち、同行援護の資格を取ったことがあります。
その経験が背中を押してくれ、「お手伝いできるかもしれない」と勇気が湧きました。
思い切って声をかけると、彼女は迷って駅に行けず困っていたとのこと。
私は「一緒に行きましょうね」とお伝えし、荷物を友人に預けて、その女性の手をそっと取りました。
段差に気を配りながら歩き、道中は気持ちが明るくなるようなお話を交わし、駅に着く頃には自然と笑顔が生まれていました。
駅員さんにバトンタッチしてほっとした瞬間、
友人はうるんだ目で私を見つめ、「私も…いつかあなたみたいになりたい」と言ってくれたのです。
その言葉は今でも心に残っている、大切な宝物です。
そして四年後の今。
目の前で、おじいちゃんの手を取る友人の姿。
あの時の“なりたい未来”が、そのまま現実になっていました。
人は「こうなりたい」と意識した瞬間から、学びが始まり、気づかないうちに優しさの器が広がっていくのだと思います。
変わっていないように見えても、誰もが体験を通して少しずつ成長し、魂が磨かれていく。
それを目の当たりにして、胸がぽかぽかと温かくなりました。
あなたはもう、素晴らしい存在価値を持っています。
だからこそ、どうか今のあなたを、優しく褒めてあげてくださいね。
そして最後にひとつだけ。
あなたの魂には、自分自身も、周りの人も幸せにする愛が必ずあるんだよ。