「いい人」でいるほど苦しくなる理由
先日、ご夫婦関係についてご相談にいらしたクライアントさんのお話です。
「特に大きな問題はないんです」
開口一番、その方はそうおっしゃいました。
「私が我慢すれば済むことなので」
お話を伺うと、ご主人は映画が大好きで、よく一緒に映画を観ようと誘うそうです。
そして観終わると必ず、
「この映画の〇〇が最高だったよね!」
「面白かったでしょ?」
と感想を求めてくるのだそうです。
実はそのクライアントさんは、ご主人が好きな映画のジャンルにほとんど興味がありませんでした。
それでも、
「せっかく誘ってくれたし」
「もしかしたら面白く感じるかもしれない」
そんな気持ちで一緒に観ていたそうです。
そして毎回、
「面白かったよ」
と答えていました。
ご主人が喜ぶからです。
相手が嬉しそうにしている姿を見ると、自分も安心する。
争いになるより良い。
空気も悪くならない。
だから本音は飲み込んでいました。
けれど心の中では、
「私は本当は観たくない」
という気持ちが少しずつ積み重なっていったそうです。
映画を観るたびに、
「私たちはこんなにも好みが違うんだ」
と感じるようになり、次第に苦しくなっていきました。
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長年、本音を抑えて生きてきた人ほど、この感覚はよく分かるかもしれません。
嫌だと言うほどのことではない。
言えば角が立つ。
だから我慢する。
周囲から見ると何の問題もありません。
けれど心の中には、小さなモヤモヤが残り続けます。
そして、その小さなモヤモヤは決して消えてなくなるわけではありません。
静かに蓄積されていくのです。
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そのクライアントさんはセッションを重ねる中で、少しずつご自身の気持ちに気づけるようになっていきました。
そしてある日、勇気を出してご主人に伝えたそうです。
「私はその映画あまり好きじゃないから、パソコンで別の映画を観るね」
するとご主人は、
「えー!一緒に観ようよ」
「夫婦ってそんなもんだろう」
と返してきたそうです。
その瞬間、クライアントさんは心の中で叫びました。
「マウント取らないで!」
と。
もちろん実際には口にしませんでした。
けれど、その言葉が心に浮かんだこと自体が大きな変化だったのです。
今までは、自分が何を感じているのかさえ分からなくなっていたからです。
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本音を伝えることは、相手を否定することではありません。
映画を一緒に観ないことは、
「あなたが嫌い」
ではありません。
好きなものが違うだけです。
それなのに私たちは、
本音を言うと相手を傷つけるのではないか。
嫌われるのではないか。
関係が壊れるのではないか。
そんな不安から、自分の気持ちを後回しにしてしまうことがあります。
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量子力学では、あらゆるものが固有の振動を持っていると考えられています。
私たちの感情もまた、一つの周波数として捉えることができます。
本音は、自分本来の周波数です。
本当は嫌なのに「大丈夫」と言う。
本当は違うと思っているのに合わせ続ける。
すると心の中と外側の言葉にズレが生まれます。
このズレが続くと、少しずつエネルギーを消耗していきます。
ラジオの周波数がずれて雑音が入るように、心にも違和感が増えていくのです。
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そのクライアントさんは最後にこうおっしゃいました。
「私は、自分が嫌だと思うことを相手に強要しないと決めています」
「だから相手も私と同じように考えてくれるとは限らないと思います」
「きっとこの気持ちは理解してもらえないかもしれません。でも、これからは自分の観たいものを観ると伝えていこうと思います」
私はその言葉を聞いて、とても素敵だなと思いました。
本音を伝えることは、戦うことではありません。
勝ち負けでもありません。
自分を大切に扱うことです。
もし今、理由の分からない疲れや生きづらさを感じているなら、一度ご自身の本音に耳を傾けてみてください。
小さなことでも構いません。
「本当はどうしたい?」
そう自分に問いかけることから、本来の自分の周波数を取り戻す第一歩が始まるのかもしれません。