大切な人を亡くしたあなたへ
大切な人を亡くしたとき、
「どうして?」
「なぜ、こんなことになったの?」
「今、どこにいるの?」
「私たちのことを覚えているの?」
「ちゃんと届いているの?」
心の中には、たくさんの問いが生まれることがあります。
特に突然、大切な人を失ったときには、
残された私たちは、その出来事をどう受け止めたらいいのか分からなくなってしまうことがあります。
だからこそ、
「答えが欲しい」
「本人の気持ちを知りたい」
「今どうしているのか知りたい」
そう願うことは、とても自然なことだと思います。
私自身、スピリチュアルカウンセリングを通して、これまでたくさんの方のお話を伺ってきました。
そして今回も、大切な方を亡くされた方のお話を伺う機会がありました。
その方は、これまでいくつかの場所で、大切な方についてのメッセージを受け取ってこられたそうです。
けれど、その中には、
心が救われるどころか、かえって悲しみや怒りを深くしてしまうような言葉もあったそうです。
「どうしてそんなことを言われなければならないのだろう」
「亡くなった人は、そんなに苦しんでいるの?」
「私たちがしてきたことは届いていないの?」
そんな思いを抱えながら、今回私のところへ来てくださいました。
私は、そのお話を伺いながら、
スピリチュアルな世界に携わる者として、改めて言葉の重さを感じました。
目には見えない世界についてお伝えすることは、
受け取る方の心に、とても大きな影響を与えることがあります。
だからこそ、
「こうに違いありません」
「こうなっています」
と簡単に断定するのではなく、
その方が今どんなお気持ちでいるのか。
どんな悲しみを抱えているのか。
どんな言葉を必要としているのか。
そして、その言葉がその方のこれからにどんな影響を与えるのか。
そこまで考えながら、真摯に向き合うことが大切なのだと思っています。
これは、誰かを責めたいというお話ではありません。
スピリチュアルに携わる私自身も含め、
人の心に触れる仕事をする者として、
言葉の一つひとつを大切にしていきたい。
私はそう思っています。
そして、大切な人を亡くされたあなたへ。
もし今、
「どうしても納得できない」
「まだ答えが欲しい」
「何度考えても同じところに戻ってしまう」
「誰かに答えを教えてほしい」
そんなお気持ちを抱えているとしても、
どうか焦らないでください。
グリーフ(喪失による悲しみ)は、
一度答えを聞いたからといって、すぐに心が納得するものではありません。
たとえ、そのとき少し安心できたとしても、
また別の疑問が出てくることがあります。
そして、突然悲しみが押し寄せて、
涙が止まらなくなることもあります。
それは、前に進めていないからではありません。
心が少しずつ、その出来事を受け止めようとしている時間なのかもしれません。
私は、グリーフのプロセスをこんなふうに考えています。
「答えをもらう」
↓
「少し考える」
↓
「また別の疑問が出てくる」
↓
「悲しみが出てくる」
↓
「また誰かに話したくなる」
↓
「少しずつ、自分の中で感じ方が変わっていく」
↓
「少しずつ現実を受け入れていく」
この繰り返しそのものが、
大切な人を失ったあとの心の歩みなのだと思います。
だから、
「一度話したのに、また悲しくなってしまった」
「せっかくメッセージをもらったのに、まだ納得できない」
「もう前を向かなければいけないのに、涙が出てしまう」
そんなふうに、ご自分を責めなくて大丈夫です。
悲しみは、
時計のように一定の速度で進んでいくものではありません。
昨日は大丈夫だったのに、
今日は涙が出る。
そんな日があってもいいのです。
そして、
「早く元気にならなければ」
と思わなくても大丈夫です。
大切な人を愛していたからこそ、
悲しいのです。
大切だったからこそ、
簡単には整理できないのです。
答えを探し続ける時間も、
涙を流す時間も、
思い出す時間も、
すべてその人を大切に想っている心の一部なのだと思います。
もし、今この文章を読んでくださっているあなたが、
何かの答えを探して疲れてしまっているのなら、
どうか今日は、
「答えを出さなくてもいい」
そう、ご自分に許してあげてください。
大切な人とのつながりは、
答えを一つもらったから完成するものではないのかもしれません。
日々の中で思い出すこと。
仏壇に手を合わせること。
好きだったものを見つけること。
ふと心の中で話しかけること。
そして、
「今日もあなたのことを思っているよ」
と感じること。
そんな小さな時間の積み重ねの中にも、
その人とのつながりを感じる瞬間はあるのだと思います。
私はこれからも、
目には見えない世界をお伝えする者として、
そして一人の人間として、
「その方の心が少しでも穏やかになること」
を大切にしていきたいと思っています。
無理に答えを出さなくていい。
無理に悲しみを終わらせなくていい。
泣いてもいい。
立ち止まってもいい。
また歩き出してもいい。
あなたのペースで大丈夫です。
そしていつか、
「悲しみがなくなったから前を向けた」
のではなく、
「悲しみを抱えたままでも、少しずつ歩いていけるようになった」
そんな日が訪れることを、私は心から願っています。
大切な人を亡くされたすべての方へ。
今日もどうか、ご自分の心に優しくありますように。
Healing Medium
片野理梨香